小規模保育園とは?認可保育園との違いを、小規模保育園の園長が解説
保活を始めると、候補に「小規模保育園」が出てきて迷う方が多いと思います。 結論から言うと、小規模保育園は市区町村の認可を受けた、0〜2歳の子どもを少人数で預かる保育園です。
この記事では、小規模保育園を経営している立場から、入園相談でよく聞く誤解、大きな園との違い、3歳からの行き先のことまでお話しします。
小規模保育園とは
小規模保育園は、2015年に始まった「子ども・子育て支援新制度」で作られた、市区町村が認可する保育の形です。法律上は「小規模保育事業」、施設としては「小規模保育施設」と呼ばれます。
- 定員は6〜19人
- 対象は0〜2歳児
- 申し込みは、認可保育園と同じく市区町村の窓口から
- 保育料も、認可保育園と同じ基準で市区町村が決める
入園相談でよく聞く2つの誤解
誤解1:「認可外の保育園だと思っていた」
いちばん多い誤解です。小規模保育施設は、市区町村の認可を受けた保育施設です。
ややこしいのは、認可外の保育施設の中にも「小規模保育園」と名乗っているところがあることです。名前だけでは区別できません。気になる園があれば、市区町村のホームページに載っている認可施設の一覧で確認してください。
誤解2:「3歳の誕生日で出なければいけないと思っていた」
これもよく聞きます。対象の「2歳児」とは、満3歳になる年度の3月31日までのことです。
わかりやすく言うと、4月に幼稚園や保育園の年少クラスに上がる前まで在籍できます。誕生日が来たからといって、すぐに転園先を探す必要はありません。
大きな園との違いは「先生の手の数」
国の基準では、保育所の先生1人が見られる子どもの数は、0歳児なら3人、1・2歳児なら6人までと決まっています。小規模保育施設(A型・B型)は、この保育所の基準に1人を加えた職員を置くことになっています。
考えてみてください。三つ子を、お母さん1人で1日11時間見続けられるでしょうか。トイレにも行けません。0歳児3人に先生1人というのは、そういう状態です。
1人が泣いて抱っこが離せないとき、ほかの子の気持ちまで受け止めるのはとても難しくなります。基準ぎりぎりの人数では、どうしても「保育」より「預かるだけ」に近づいてしまいます。
以前、ある大きな園の0歳児クラスを訪ねたとき、先生が1人で3人を見ていました。1人を抱っこし、1人と手をつなぎ、もう1人はサークルの中で泣き続けていました。声をかけると「もうそのままにしておくしかないんです」と。先生が悪いのではなく、人の数が足りないのです。このとき、自分の子どもを預けるなら、手の数がある園にしようと決めました。
保育園も、利益が出なければ続けられません。先生1人あたりに多くの子どもを見てもらうほど、経営は楽になります。だからこそ、基準ぎりぎりの人数で運営している園は少なくありません。
小規模保育施設は、もともと基準に1人多く職員を置きます。私の園では、それに加えて、どのクラスにもすぐ入れる先生を置き、ヘルプがあればいつでも動ける体制にしています。
それが子どもにどう返ってくるかというと、自分の気持ちに寄り添ってくれる先生がそばにいるということです。0〜2歳の、いちばん手をかけたい時期に、しっかり手厚くできること。これが少人数だからこそできることだと考えています。
A型・B型・C型の違い
小規模保育施設には3つの型があり、職員の資格の条件が違います。
| 職員の資格 | |
|---|---|
| A型 | 全員が保育士(看護師などの特例あり) |
| B型 | 半分以上が保育士 |
| C型 | 市区町村の研修を受けた「家庭的保育者」 |
この違いは、子どもへの関わり方の質に出ると私は考えています。資格を持つ先生をそろえるのは、採用の面でも費用の面でも簡単ではありません。それでもA型で運営している園は、子どものことを最優先にしようとしている、ひとつの表れだと思います。
見学のときは「A型ですか、B型ですか」と聞いてみてください。
入園した家庭の声
私の園では、これまで途中でほかの園へ転園した家庭はありません。
うれしいのは、半分以上の保護者の方から「年少からも通えるようにしてほしい」と言われることです。小規模保育施設は3歳の年度までしか在籍できない決まりなので応えられないのですが、何よりの励みになっています。
3歳からの転園と「連携施設」
小規模保育施設は、卒園後の受け入れ先として、保育園や認定こども園などの「連携施設」を決めることになっています。
佐賀市の場合
佐賀市では、小規模保育園などの「地域型保育」を卒園して3歳から保育園へ移る子どもに、入所の選考で優先の扱いがあります。市の「令和9年度 利用申込支給認定申請(2・3号認定)のてびき」の入所調整基準表では、4月入所の場合、次のように定められています。
- 地域型保育から保育施設を希望する:15点
- 地域型保育から、その園の連携施設を希望する:最優先
(出典:佐賀市「保育施設等入所申し込み」掲載の令和9年度てびき、入所調整基準表。2026年10月26日確認)
連携施設は「あるか」より「どんな関係か」
連携施設がない小規模保育施設は、園に入る運営費が減る仕組みになっています。いっぽうで、連携施設になる保育園や認定こども園の側には、運営費が加算される仕組みがあります。
そのため、書類の上だけの「形だけの連携」も増えているように感じます。
連携そのものは、とてもいいことです。保育の考え方が近い園どうしがしっかり手を組めば、子どもにとって安心できる道筋ができます。
見学のときは、次のことを聞いてみてください。
- 連携施設はどこか、卒園した子が実際にどこへ移っているか
- 連携施設と、ふだんどんな交流をしているか
また、年少から通いたい園が決まっているなら、園庭開放などに早めに参加して、その園の先生とあらかじめ顔を合わせておくのもおすすめです。
まとめ
- 小規模保育園は、市区町村の認可を受けた0〜2歳の保育施設
- 在籍できるのは、満3歳になる年度の3月31日まで
- 職員は保育所の基準より1人多く、手厚く関われる
- A型は全員が保育士。見学で型を聞いてみる
- 3歳からの行き先は、連携施設との「関係の中身」まで確認する
迷ったら、見学で「職員の体制」と「卒園後の行き先」の2つを聞いてみてください。そこへの答え方に、その園の考え方がよく出ます。